2016年9月21日水曜日

PCでコア数を増やせば幸せになれるか?

 8月最後の週は、子供のころから、お世話になった親戚の伯父さんの通夜・葬儀に顔を出しました、このような場に出かけたら10年ぶりに関東からお悔やみに来た親戚や普段は遠縁になりがちな親類縁者が集まり、個人的にも筆者と弟の幼少時代のことに関して克明に語ってくれる、おばあさんがいましたが名前を思い出せませんでした。
 それにしても住職の説教は長くて・・お通夜、葬儀、火葬が終わり遺骨を仏壇の前に置く環骨で3回も説教があり要約すれば「人生の時間は限られているので毎日を大切に生きなさい」、「やがて、ご先祖様のもとへ行ったときに、ちゃんと顔向けできるよう普段から行動しなさい」、「自分の体は自分のもの」食事など誰も代わりが出来ないので自分の責任で大切にしなさい・・・ごもっともですが、表現方法や例えが違うだけで、話したいことは同じで、それにしても話が長かった・・
◆ またもや駄々こね持っていかれた愛用PC
 こちらの記事に書いていますが5月に換装したCore i7-6700KとIntel Z170チップセットの組み合わせのPCは結構重宝してしようしていましたが、葬儀で帰省していた親戚に、どうしても追加のPCが必要になったので譲ってくれとせがまれて現金を置いて持っていかれました。
親戚は建築物の基礎構造計算の仕事をしており上京した時は苦労したらしいのですが、横浜のマンションが傾いた事案が追い風になり最近は結構忙しいようです。
 
◆ Xeonを選択
 事務所に残ったPCは価格はそれなりですが非力なスティック型PCASRock X99E-ITX/acをベースにした2台となり納期を抱えてメインPCがおかしくなったらヤバイことになるので予備機を組み立てることにしました。 

 今までXeonに手を出すことなくCore i7を選択していた理由はクロックアップの可否で、力仕事では馬力が上がれば仕事も早く終わるし動作も機敏になる・・4馬力の人が6人で両手を使い作業する、2馬力の人が12人集まり両手で作業をするのと同じではないか?それでは馬力アップ(オーバークロック)ができるCore i7を選択し、2GHzベースの12コア24スレッドのXeonと4GHzベース6コア12スレッと同じでGPUのパフォーマンスも高く、幸せになれると思い込んでいましたがASRock X99E-ITX/acに関してはオーバークロックに関する期待を裏切られ話は別になります。

 今回は売却価格が少なめで十分な予算はありませんのでCPUのコア数を重視して前回同様マザーボードはソケット形状:LGA2011-3のASRock X99E-ITX/acを選択しCPUはXeonでコア数を稼ぐことにしました。
購入したパーツはDDR4メモリー16GBx2枚、ケースはMini-ITXマザーボードに対応し120mm/140mmファンが使用できオールインワン液冷クーラー対応した、SilverStone SST-SG13、M.2 SSDはADATA Premier Pro SSD SP900シリーズ 256GB M.2、冷却はクーラーマスターのSeidon120Vを追加購入し、計算上は足りていると思われる手持ちの450W電源、売却したPCから取り外したビデオカード:Geforce GTX 960、余っている250GBのSSDで組み立てました。

 Xeonは正規品の発売前に試作品としてマザーボードメーカーや専門誌などに提供されるES品もあり、ES品の所有権はインテルにあるはずなのに正規品の1/10程度の低価格でオークション市場にゴロゴロと溢れかえっていますが、正規品のパフォーマンスに到底及ぶはずもなく、完全な動作も保証されておらず、落札する気にはなれません。
ワークステーションから取り外したと思われる正規品でコア数は少なくても動作周波数が高いXeonが欲しかったのですが、価値あるものが安価に落札できるなどオークションは甘い訳がなく、いずれも落札価格は予算オーバーであきらめ、手ごろな価格で落札したCPUは14コア/28スレッドのXeon E5-2683 v3でコア数だけが取り柄のCPUです。

 最新のXeon E5-2683 v4は16コア32スレッドですが同等のパワーと動作など初めから期待していませんが、PCとWindowsが起動すれば儲けもので装着後にBIOS画面を確認し、SSDなど装着して電源を入れるとWindowsも無事に起動し32本のアンテナでスレッドの数だけは圧巻です。

◆ CINEBENCH R15のスコアー
 ベンチマークを測定するソフトは多く存在しますが「CINEBENCH R15」は「CINEMA 4D」がベースになっており、1枚の3DCG画像のレンダリング時間からスコアを算出する仕組みでシネウエア使用を前提に組み立てたシステムの評価には一番合理性があると考え測定しました。

CINEBENCHのCPUスコアーに威力を発揮するのはやはりコア数の多いシステムでXeon E5-2683のスコアー1710ptsで他を圧倒していますが、OpenGLはCore i7-6850Kの半分以下になりXeonの性格上致し方ないスコアーです。

◆ レンダリング速度
 ベンチマークはあくまで数値であって実際に「CINEMA 4D」でレンダリングして実測したほうが一番だと考え1フレームのレンダリングに1分以上要する重たいプロジェクトを書き出して時間を測定しました。
書き出し設定は1080/30Pサイズで連番TIFF(PSDレイヤ)です。

◆ Xeon E5-2683
 Adobe関連のソフトはレンダリング時にCPU100%使用することはなくXeonよりCore i7のほうがパフォーマンスが優れていることは知っていましたが、Cinema 4Dはレンダリング時にCPU100%使用するのでコア数が多ければレンダリングが早いのではないかと期待しましたがCPU使用率は・・

確かにCPU100%負荷で14コア28スレッドの処理速度は2.48GHzでもさすがですが、レンダリング中は常時CPU100%負荷をかけているわけでなく前処理時などの際は使用しているコア数が少ないのと動作速度が低すぎで、これがネックとなり、殆どのコアが1フレームのレンダリング後に約35秒ほどサボっていました。
その結果1フレーム処理に1分14秒ほど要し正直期待外れですがXeonの未知の世界に踏み込んでこそ知りえる現象かもしれません。

◆ Core i7-6850K
 こちらはスレッド数は少ないのですが動作周波数の高さとCPUがサボっている時間が短くn1フレーム平均14秒で6コア12スレッドにもかかわらず14コア28スレッドの処理速度に負けていないことが判明し、動作周波数の高さは処理速度に反映されると感じました。



◆ After Effect CC2015によるレンダリング
 2011年にテンプレートを購入し1分のクリップでレンダリングに4コア8スレッドのCPUで1時間以上要した、くそ重いプロジェクトのレンダリング時間を比較しました。
すべてのコアとスレッドを使用したレンダリングになりましたがCore i7-6850Kのほうが3分ほど早く完走しました。

 Xeonといった未知の世界に足を踏み込んで色々試行錯誤を繰り返していますが、やはりコア数の使用率や動作周波数は様々なソフトやプラグインなど使い方は様々でコア数を増やせば幸せになれるか?この問いには、そうでない場合も多い気がしCore i7のキビキビした動作に比べるとXeonは少しもさっとした動作をします。

 それでもコア数がものを言うレンダリングや編集中のスクラブ動作などでは、それなりに力を発揮してくれますが動作周波数の低さとコマンドによっては少ないコアで処理するコマンド、例えばWindows の起動速度やPremire Proのレンダリング設定画面、エフェクトのパラメータ調整などではi7の4コア8スレッドよりも緩慢な動作をしてイラとしますが、レンダリングにはそれなりに力を発揮するので我慢して使うしかありません。

 個人的見解は映像制作目的のPCにむやみにコア数を増やしてもあまり恩恵がないような気がし、やはり動作周波数もソフトのキビキビした動きに重要な要素だと思い知らされた気がします。
映像制作目的のPCはCore i7を導入してオーバークロックの耐性と動作に定評のあるマザーボードで冷却に定評があるクーラーなどを導入したほうが幸せになれそうです。

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