2018年11月24日土曜日

TMPGEnc Video Mastering Works 7のタイムライン編集は使えるか?

 TMPGEnc Video Mastering Works 6はあまり出番はありませんが映像・音声の分離、映画の字幕挿入、NLEソフトが読み込んでくれない怪しい映像の中間ファイルへの変換などに出番があれば重宝しているソフトで開発元のペガシス社のソフトはバグなどの修正など迅速な対応のが特徴です。

 4年ぶりにTMPGEnc Video Mastering Works 7にバージョンアップし業務用途仕様とも思えるHDR、8K、LUT(Lookup Table)、カラオケテロップ、Apple ProRes 映像ストリームの直接読み込み、音声コンプレッサー、ラウドネス基準、GoPro Cineform出力などの機能が追加され一応、映像を少しばかり精通した目線で見ると「一体何者?」このバージョンアップでVer6のタイムラインモードのNLE編集用途では使えなかった機能も大幅に強化されているらしく、このモードでの使い勝手が良ければこれほどリーズナブルなNLEソフトはないと思います。
そこでVEGAS Pro 16やAdobe Premiere Pro CC 2019などをこき使っている目線で使用してみました。
プロジェクトの開始
 映像クリップはDC-GH5のV-LogLモード4K/60pで撮影したクリップを使用しプロジェクトはタイムラインモードで開始しました。

 タイムラインフォーマットは予め解像度、フレームレイトをテンプレートから選択する方法もありますが、今回は「追加するクリップの情報から設定する」を選択しました。

クリップの読み込み

今回は「ファイルを選択する」でクリップを読み込みます。

すべてのクリップを選択して読み込みましたが、後からクリップの追加もできます。

読み込んだら「次へ」を選択したらタイムラインにクリップが追加されます。

LUTの設定
 タイムランフォーマット設定で「カラーマネージメント」を有効にすると「LUT」が使用でき「設定」ボタンをクリックし「ファイル読み込み」でGH5の場合はLUT(ルックアップテーブル)など保存したフォルダの「cube」ファイルを選択します。

音声トラックの表示
 デフォルトでは音声トラックは表示されないので表示変更の小さな「ボタン」をクリックし音声トラックが表示させます。

カット編集
T MPGEnc Video Mastering Works はもともと録画番組のCMカットなど不要部分をカットして作品を仕上げるコンセプトで設計されているので複数のクリップを入れ替え・並べ替えのNLEソフト的な用途では使いずらい面がありましたが、どう改善されているのでしょうか?
 まずレイヤー(タイムライン・トラック)で不要部分を「[」「]」キーでイン・アウト点を指定し「Del」キーでは映像が空白になるギャップが生じます。右クリックメニューで「イン/アウト点範囲をすべて消去し前に詰める」でリップル削除ができるようになり評価できる点ですが編集効率を上げるためにはキーボードショートカットが欲しいところです。

ギャップの除去
 不要部分のイン・アウト点を指定して右クリックしてからのリップル編集は編集効率を考えると疑問もあり、イン・アウト指定しての「Del」キーや普段の癖でクリップの前後をマウスで個別のクリップをトリミングすると映像の間にギャップが生じます。そこでレイヤーヘッドを右クリックして「レイヤー内のクリップを前につめる」を選択するとレイヤーすべてのクリップのギャップがなくなり、あえてギャップありの編集をして一括してギャップを埋める方が編集効率は良さそうです。

エンコード速度
 4K/60p+LUTの編集で3分のプロジェクトをH.264(Intel QSV)でデフォルト設定でエンコードし時間を計測しました。

 CPUはCore i7 8700で6コア12スレッドでCPU内臓のグラフィックも使用しているためCPUの使用率は、ほぼ100%で完走時間は18分実時間の6倍ほど要しました・・やはり4K/60pは糞重いフォーマットであることを改めて痛感しました。

 自称バリバリのNLE使いのユーザー目線から見たTMPGEnc Video Mastering Works 7をレポートを兼ねて使用しタイムライン編集は何とか使えるレベルと感じました、やはりどうしても欲しいのは編集効率が向上する自動リップルでギャップを詰めてくれる機能でしょうか!
四苦八苦して拙速なレポートを書いた後に、Vegas Pro 16を使用すると編集過程でホッと気持ちになりますが、いざレンダリングになるとパラメータの調整でGOPの長ささえ指定で出来ないもどかしさも感じ、TMPGEnc Video Mastering Works 7に関してはエンコーダーを前面に名乗っているだけに、編集が終わったらバッチエンコードに送り終了後にPCをシャットダウンする痒いところに手が届く機能の豊富さは手抜かりなし、タイムラインの慣れないUIで当初は戸惑いましたが使い込んだらNLEソフトとしても作品作りに十分使えそうな進歩だと感じました。それにしても、この価格でここまでやるか!そんな感じです。

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