納品を伴う映像制作の最終組み立てに使用しているのは「Adobe Premere Pro 2019」で一時期「Vegas Pro」に移行していた時期がありましたが、開発がストップしたころはAdobe製品が安定して動作するようになり現在に至ります。
以前このブログで紹介した「Vouk/voukoder」ですがバージョン2にアップグレードしたので、Windows環境かつ「NVENC」についてのインストールについてメモ書きです。
・FFmpegのインストール
Voukoderを動作させるにはffmpegをインストールしておく必要があり本家のダウンロードサイトに移動し「Windows」アイコンボタンにマウスを移動して「WindowsPackages」の下に表示される「Windows Builds」をクリックすると「FFmpeg Builds」ページにジャンプするので「Version」「Architecture」「Linking」それぞれ選択して「Download Build」クリックしてダウンロードします。
ダウンロードした「ffmpeg-4.1.3-win64-static.zip」はシステムドライブの適当なフォルダに解凍すると「ffmpeg-4.1.3-win64-static」フォルダが作成されるのでフォルダ名を「ffmpeg」など短い名前に変更するとわかりやすくなります。
・「ffmpeg」に「システムプロパティ」の「詳細設定」「環境変数」でパスを通す
「システムプロパティ」の起動は「コントロールパネル」「システム」「システム詳細設定」やいくつか方法がありますが、手短に「Win」キーと「X」を押して
環境変数で「Windows PowerShell(管理者)」を起動し「sysdm」を入力して起動します。
「詳細設定」タブの下にある「環境変数」ボタンをクリックし「環境変数」画面を開き「新規」ボタンで変数名:は「FFmpeg」など適当な名前、変数値は「ディレクトリの参照」で「FFmpeg」フォルダの「bin」を指定します。
・Voukoderのインストール
Voukoderはこちらのページからインストーラーもしくはzipファイルのいずれかをダウンロードしインストールします。
解凍した「VoukoderR2.prm」は「C:\Program Files\Adobe\Common\Plug-ins\7.0\MediaCore」など環境に応じて保存します。また筆者の環境で「Adobe Media Encoder 2019」ではエンコード出来かったので「C:\Program Files\Adobe\Adobe Media Encoder CC 2019\Plug-Ins\Common」にも「VoukoderR2.prm」をコピーしたらエンコード出来るようになりました。
・Voukoderの設定
ビデオセッティングはシンプルになり解像度、フレームレイトなどシンプルになり色空間は国際標準規格から解像度に応じて4K・8KはSDR(UHD CL)、HDR(UHD NCL)が指定できます。
便利だと感じるのが「ソースに合わせる」の設定は解像度やフレームレイトを気にすることなく保存したプリセットが使用できることです。
オーディオセッティングはサンプルレート32kHz、44.1kHz、48kHz、96kHzから選択し、チャンネルはモノラル、ステレオ、5.1サラウンドが選択できます。
ビデオの詳細設定は「Voukoder」タブが追加され「Configure…」ボタンで設定画面が別窓で表示されます。
全般設定のビデオエンコーダーはNVENC、ProRes、VP9、x264などが選択でき、特にNVENCは爆速で画質もそこそこで、CPU処理ではいつ終わるかわからないような4K/60pのプロジェクトのエンコードに期待してしまいます。
オーディオはAAC、AC-3、MP3,PCMなどが選択できAC-3はビットレートが指定できるようになりました。
ビデオの設定はコーディックによって設定項目が変わりますが、いずれにしろ標準のエンコーダとは比較にならないくらい細かいパラメータが追い込めます。
オーディオは512kbit/sまで選択できます。
せっかくなのでAdobe標準エンコーダとNVENCのエンコード速度をIntelのCPUで6コア12スレッド4.2GHz駆動、ZOTAC GeForce GTX 1060 6GBのPCで比較してみると、1080/60pのH.264の映像を単純にカット編集してエンコード時間を比較すると14分のシーケンスで同じような設定でH.264 でレンダリングするとAdobe標準エンコーダは8分40秒、NVENCは5分23秒で爆速です。
しかしながら4K/60pさらにカラーグレーディングなどが絡んでくると話は別で先月GH5(H.264)とHERO6 BLACK(HEVC)で収録した御幸祭りのハイライトシーンのシーケンスに調整レイヤーを配置し「Magic Bullt Looks」エフェクトでカラーーグレーディングした8分38秒のシーケンスをレンダリングして比較するとNVENCは44分56秒で実時間の約5倍でこれは使えません、Adobeは23分34秒で実時間の約.7倍で健闘しており逆の結果になりました。
4K/60pをNVENCによる爆速レンダリングに期待しましたが残念!改めてハードルの高さを思い知らされました・・・
以上、Vouk/voukoder 2.0.6について触れましたがあくまで私の個人的な環境で独断と偏見の書き込みです。
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