2019年1月18日金曜日

無料NLEソフト「Olive」を試す。

動画共有サービスなどの普及で誰でも映像配信が可能になり、スマホで4K動画が撮影できVHS時代から長いとこ映像に関わってきた立場の目線では夢みたいな時代です。
映像配信するからにはビデオ編集は必要不可欠で個人的に収益を伴う編集にはAdobe Premiere Pro CC 2019やVegas Proを使用しそれなりのスペックのPCを使用しています。
Intel NUCを使用していましたが売却し新たに入手したIntel NUC7i7BNHのCPUはi7-7567Uでターボブースト最大4.00GHz動作とはいっても2コア4スレッドでは非力で本格ビデオ編集は少し厳しいと思い、そもそも所有のNLEソフトはライセンスも足りなくてインストールしていませんでした。

 そこで無料オープンソースのビデオエディタ「Olive」をインストールしてAdobe Premiere Pro CC 2019ユーザー目線で使用してみました。
「Olive」のインストールや簡単な使用方法はこちらに記事があるので参考にしていただくとして、今回はアルファ版につき64Bitのポータブルを使用することにしました。

ポータブル版は適当なドライブにフォルダごと解凍すれば使用できるのでダウンロードしたZIP形式でアーカイブされたファイルを開いてD:ドライブにフォルダをコピーして解凍すればインストール完了です。


プログラムが格納されたフォルダ内の「olive-editor」を右クリックメニューで「送る」「ディスクトップ(ショートカットを作成)」で起動しやすくしておきます。

「Olive」を起動するとアルファ版で自己責任で使用する旨の断りがあり以下自己責任の範疇さらに独断と偏見のレポートです。

UIはシンプルでプレミア使いとしては違和感のない感じで複数のシーケンスを作成してネスト化できるのはAdobe Premiere Pro CC 2019を意識した設計が垣間見えます。

プロジェクトウィンドウの右クリックメニューはアセットのインポート、新規プロジェクト、シーケンス、フォルダ(ビン)、ツリービュー、ウインド上にツールバーが表示されサムネイルの大きさは上部にあるスライドバーで大きさが変更できます。

ツールーバー表示したものでアセットを選択して右クリックすると削除、再リンク、エクスプローラでファイルの位置表示、クリップを別のクリップへ置き換え、クリップからシーケンス作成などのNLEソフトとして必要なメニューが選択できます。

エフェクトウインドウは右上のアイコンはクロスフェード、左上のアイコンで各種エフェクトが選択できクロマキーやカラー補正などの基本的なエフェクトが選択できます。

エフェクトウインドウで位置、スケール、回転、透明度などキーフレームの打ち込みが出来ますが、細かいパラメータ調整はキーフレーム上で右クリックして別窓のグラフエディタを表示させて調整できます。

オーディオエフェクトはノイズリダクション、トーンなどオマケ程度で音声トランジションは直線、カーブを描いたようなフェードが選択できます。

キーボードショートカットはAdobe Premiere Proにほぼ準じた割り当てがされているのでプレミア使いでキーボードショートカットを多用する人は違和感なく使えます。

ツールバーもリップル、スリップ、スナップなどの必要最小限のバーが配置されています。

シーケンス設定のプリセットの最大サイズはFilm4Kまで選択できます。

書き出し出来る映像・音声の形式は豊富で殆どのラッピングに対応しており下手なNLEソフト顔負けでDVD納品で重宝するAC3音声まで対応しています。

MPEG-4ビデオのエンコード「Libox H.264」と「MPEG-4 part2」でパラメータ指定はVBR、CBR、GOPの長など細かい追い込みができず開発途中の感は否めず今後の機能追加に期待したいところです。

「Libox H.264」の符号化は「Abarage Bitrate(ARB)」「Constant Rate Factor(CRF)」「Constant Quantizer(CQP)」「Lossless」など多彩ですが、現時点では「Constant Rate Factor(CRF)」のみでエンコ職人が求めたビットレート、GOP長、参照フレームの指定など面倒な画質の追い込みより、とりあえず高画質でエンコできればそれでよしと考えるのが妥当な気がし、筆者の2コア4スレッドの非力PCでDJI Osumo Pocketで撮影した4K60pのクリップをMPEG-4ラッピングでコーディックはLibox H.264を選択、クオリティ(CRF)はデフォルトの「36」でレンダリングしてみましたが実時間の12倍を要しエンコードされたH.264のGOP長は60フレームでBitrate Viewerで解析すると平均約22Mbs、MAX:約33Mbs、MIN:13Mbsでビットレートに幅があり画質はオリジナルと見分けがつかないほど高画質で個人的にビットレート至上主義でエンコードをする考え方でしたが、固定レート係数(CRF)でビットレートに幅を持たせてエンコーダー任せにするのも一手段だと思います。


以上、開発中の「Olive」について触れてみましたが4K60pのプロジェクトで特定のエフェクトを使用したらクラッシュしたり、プレビューにタイムラグの発生などなど何かと挙動不審な動作をしますが、今後、開発が進めば使えるNLEソフトに成長することは間違いないと感じました。以上、個人の見解です。

0 件のコメント:

コメントを投稿