2016年10月15日土曜日

Intel NUC オーバーヒート対策

 自宅ではこちらの記事で紹介したIntel NUC Core i7-6770HQ搭載 BOXNUC6I7KYK (Skull Canyon)を使用しており、最新世代のCPUかつ4コア8スレッドのパフォーマンスはQSVエンコードに十分通用すると感じています。
 しかしx.264エンコードなどでCPUの使用率が100%に近くなると95℃を軽くオーバーする爆熱ぶりで瞬間的に100℃を超える場合もあり、お湯が沸騰する100℃程度の温度は皮膚は火傷してもPCのシリコンが溶けてPCが故障することは考えられませんが、1時間ほど要するレンダリング中にブラウザを起動してネットを徘徊していたらWindows 10が原因不明で固まってしまいました。
  Aviutlで拡張x.264やx265エンコード中は涼しくなった今時の室温21℃前後でもピーク時には軽く95℃をオーバーし、これは少し前の猛暑日でも同じ現象で環境温度に応じて柔軟にCPUの使用率を手加減しているのではないかと想像しています。

 このような爆熱でもCPUの温度に無関心だと「知らぬが仏」でファンの音がうるさいな!この程度で済む問題かもしれませんが、CPUの使用率、温度、メモリーの消費量を表示するガジェットで温度が表示されると、それはそれで気になり、何らかの熱対策を考えますが、思いつくのはCPUとヒートシンクの間に塗布する熱伝導率の高いグリスを使用することくらいしか思いつかず、高熱伝導率グリスの塗り直しで果たして効果のほどは?以下レポートです。
 高熱伝導率のグリスは数多くありますが、手持ちのアイネックス ナノダイヤモンドグリス JP-DX1で、とりあえず塗りなおしてみました。
しかし、このグリスを塗りなおしても、正確には塗り直しではなくCPUの中心にグリスを盛ってヒートシンクを取り付けただけの横着な作業のせいか相変わらずの爆熱です。
経験上、高熱伝導率のグリスを使用すればそれなりの効果があり、そんなはずはないと考え再度塗り直すことにし、ブログのネタがないので書き残しておくことにしました。

 以下、分解の手順ですが参考にして実施される場合はあくまで自己責任でお願いします。
上ぶたの取り外しは六角レンチが必要で工具はベアボンキットに含まれており、上ぶたを外したら四隅の小ねじを外します。

 裏ぶたを外したら冷却ファン3か所とマザーボードの四隅の小ねじを外しますが、小ねじはどの位置も同じサイズなので取り外しのの際に分別する必要は無いようです。


外側ケースから外す際は前面を先に下にスライドさせ、次に後ろを外したほうがスムーズにいきそうです。

マザーボードと冷却ファンの取り外しは逆に後ろ側を先にスライドさせて外せば簡単に外せます。
ヒートシンクのねじは3か所で、このねじだけがサイズが異なりますが明らかに形状が異なるので他のねじと間違うことはないと思います。

 やはり中心に盛ってヒートシンクを取り付けただけではグリスが均一でなく、大部分のグリスがはみ出ており、これでは熱伝導の効率が悪く冷却効果が得られなかった原因かもしれません。

  過去にはヒートスプレッタ付きのCPUにしかグリス塗布はしたことがなく、中心にグリスを盛って、ねじ締めの圧力でグリスを均一に塗布した手法が鏡みたいなシリコンダイの表面にも通用するはずもなく、何のためにグリスに添付されているヘラがあるのか?考え直しヘラを活用して丁寧に塗布したつもりですが、ダイアモンドグリスは粘性が少し硬いので見る人が見たら雑に見えるかもしれません。


組み立ての鉄則は分解のおおむね逆順につき省略します。

さて効果のほどですがシネベンチで100%負荷をかけた際のCPUの温度で中心1点盛りで横着した場合は100℃前後の高温で冷却ファンは全開です。
丁寧に塗布しなおした結果、ファンの音も明らかに静かで冷却効果がありシネベンチ計測中は85℃を超えることはなくJP-DX1グリスも塗り方により冷却効果が変化する判明しました。
一事が万事とは言えませんが、やはりCPUにグリスを塗布する場合はヘラで均一に、多すぎず少なすぎず?手加減が難しい!それでもいい勉強になりました。
 
  
 試しに、ほぼCPU100%使用するAviutlの拡張x.265でエンコードしたら室温21℃でCPUの温度は平均92℃で塗布前より約‐4℃から5℃ほど冷却効果があり、1時間以上のエンコードを難なく完走するので90℃くらいの発熱でビクビクする程のものでないと改めて感じ、また熱伝導率の高いグリスの塗布はノートパソコンと同様なNUCには少し有益な選択だと思います。
日に日に気温が下がっていくこの季節で、しばらくの間このまま使用し来年暑くなる前にさらに冷却効果が期待できる殻割の定番で液体金属のCool Laboratory LIQUID PROを試してみようと思っています。

以上、Intel NUCにグリスを塗り直す手順を書きましたがブライダルの撮って出しの現場で使用するため、レンダリング中に絶対にフリーズを発生させないための保険みたいなもので、普通に使用するケースでは、わざわざ高熱伝導率グリスを塗り直さなくても十分だと考えます。
くどいようですがこの記事を参考に実施される場合は自己責任でお願いします。

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