2016年5月23日月曜日

Intel Compute Stick STK2mv64CCでエンコード

 前回の記事で取り上げた「Intel Compute Stick STK2mv64CC」の主な用途はエンコードを伴わないオフィス、ネットブラウジング、TVチューナー、伝票印刷、会計、Webサイトの更新などに使用していますがメモリー4GBの余裕と64ビットOSの威力か?事務用としてはストレスなく使用しており価格相当の仕事をしてくれ、パナソニックデジイチで撮影した4K30Pの動画もウインドウズメディアプレーヤーで何とか再生します。
4Kディスプレイで地上波テレビ、ブラウザによるAmazonプライムビデオ、宅配便伝票印刷、DVDラベル印刷、Aviutl、フォトショップの代わりにGIMP2を起動してもメインメモリーは1GBほど余裕があります。


 それにしても、このサイズで4K出力ができるいい時代になったもので、CPUの進化は止まらないので、あと2世代後にはスティックPCで4K動画がヌルヌルと編集して高速レンダリングが可能な時代になっているのではないかと思います。
やはり電源にケーブルはUSB3.1 Type-Cのケーブルで、個人的な環境では1.5mの長さと5mm以上の太さは必要ないので長さ1m太さ4.5mのType-CケーブルとUSB(メス) to Type-Cアダプタ 変換コネクタ 追加購入し、これでスティックPCらしい運用ができそうです。

 このPCはインテル Core M プロセッサーを搭載しているのでQSV(QuickSyncVideo)に対応し、もしかしてエンコードに使用できないかと欲も出るものです。
ディスクトップ機もCore i7-6700KとIntel Z170チップセットに換装したのでQSVエンコードが使える環境になり、TMPGEnc Video Mastering Works 6、Adobe Premiere Pro CC2015プラグインTMPGEnc Movie Plug-in AVC for Premiere ProSorenson Squeeze10でH.264のQSVエンコードのエンコードが可能になりますが思ったような速度が出なかったり、パラメータ設定の追い込みが甘かったりと何かと使えない気がします。

 もちろん、これらのソフトを僅か4GBメインメモリーのスティックPCで使用するのは無謀としか言いようがなく、そもそもライセンスもありません、それでもQSVエンコードでどの程度のパワーがあるか知りたいものです。

 QSVエンコードが出来る映像変換ソフトはフリー有料を問わず結構ありますが、いろいろと試してみると万人向けの仕様でビットレートやGOPなどはお任せの設定が多く細かくパラメーターを追い込めるソフトは皆無で、一番まともに感じたのはフリーの定番でおなじみのAviutlrigaya氏のQSVEncの組み合わせです。
 Aviutl、プラグイン、使用方法などはネットで語り尽くされており省略しますが、なぜエンコーダーが必要になる理由はスマホで鑑賞できるように定期的に持ち込まれる、怪しいWMVファイルがどんなGOP構造かは不明ですが6コア12スレッドのPCですら4Kよりスクラブが追いつかない重たい編集となり、どのみち720Pにリサイズするので編集が軽いファイルに変換してカット編集をしスマホ用にレンダリングして渡しています。
 中間ファイルはH.264に変換しGOPを短くして編集を軽くしビットレートをオリジナルの2倍程度盛り込んで画質の劣化を抑えています。

 そこでハードウエアエンコードで時間短縮のために何らかの手段が必要になり、アドビのエンコーダーでWMVを読み込むと.pekや.cfaファイル作成にウンザリするくらい待たされます。
TMPGEnc Video Mastering Works 6はNVENCやQSVに対応していますがエンコード時間は、それほど早くなく、720/60Pで40分のWMVクリップをCore i7-6700Kで書き出す速度をAviutl+拡張QSVの変換フレームレイト332fps前後と比較するとCPUの使用率が低い分2倍ほど時間を要して有料エンコーダーにしてはAdobe Premiere Proのプラグインでも言えることですがx264に重点を置いているせいかハードウエアエンコードに関しては詰めが甘い気がします。

 今度はスティックPCでAviutl+QSVで同じWMVクリップをエンコードすると変換フレームレイトは120-140fps程度でCPCの使用率は90%で約25分で完了し実時間の60%程度の時間でQSVエンコードに使えそうです。
さすがに4Kサイズになると手に負えませんが1080Pであれば実時間の範囲内でエンコードが完了し使えるレベルです。

 正直Aviutlの存在は知っていましたが個人的な需要がなかったのが現状で、全く使用したことはありませんでした、しかしQSVエンコードをきっかけに映像のエンコーダーとして使用してみるとフリーといえど侮れない存在で、むしろ一部の機能に関しては痒い所に手が届いています。
拡張QSVの機能を見てみるとCPUが「Skylake」はH.265/HEVECのハードウエアエンコードに対応しています。
H.265/HEVCのエンコードは1080/30Pで24fpsでエンコードしており実時間より少し時間がかかりそうですが、拡張x265でエンコードすれば4-5fps程度でハードウエアエンコードの恩恵はあると思います。

変換速度もクオリティーを7段階で選択できます。

モードはVBR,CBR、CQP、可変QP、固定品質モード、ビデオ会議モードが選択できますがVBR2Passモードはありません。

通常はVBRでビットレートとGOPの長さを指定すればシーンチェンジ検出もできるため個人的には事足りています。
「Intel Compute Stick STK2mv64CC」はQSVエンコードに関しては実用レベルであることが判明しました。
以上、あくまでも個人的見解です。

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