2015年11月18日水曜日

LUMIX DMC-GH4にV-Log L映像をPremiere Pro CC 2015でグレーディング

 ネットを徘徊すると、人一倍疑い深い自分でさえ、もしかしたら?!思い当たる節があるブログにたどり着く場合があります。
 個人的なポリシーは「騙されるな」 基本的にテレビ番組で紹介されたことに関しては情報のたらい回しが多く、グルメレポートも本当に旨いのか?と思う時があります。
  過去に、何度かローカルニュースの代理撮影を引き受けた時、撮影現場では閑散とした発表会の席をいかに多く見せるとか、数人しかいない書道、絵画などの発表会 で、今では許されない事ですが、目立ちたがり屋を巧みに説得して人を集めて偽の演出をしたものが地方局のローカルニュースで放送されたことがありまし た。
 当時は自分の姿や活躍ぶりが放映されていれば誰もが喜んだ時代で、最近は拒否されたら顔にブラーを入れ放送したり、海外発信の無修正のエロ動画でも商用利用が許可されていないロケ地では肝心なところは曝け出しても周りの建築物をモザイクで隠したり、エロの演出に缶ビールが出てくること自体が勘違いしている気がしますが、それでも銘柄が特定できないようにマスキングテープで隠す痛まし現実・・・何かとやりにくいご時世になったものです。



どうでもいい枕はこれくらいにして本題です。
■ Panasonic  LUMIX DMC-GH4にV-Log Lを追加
 「LUMIX DMC-GH4」に「V-Log L」機能を追加するためには別売アップグレードソフトウェアキー「DMW-SFU1」を購入する必要があります。
 発売されたのは2015年9月17日(木)で、ライセンスキーはネットで受け取るものと思い込んで少しばかり油断していたら、いきなり販売延期となり、それでも「V-Log L」の機能追加はどんなものか興味があり、納期未定で予約していたシリアル番号入りの箱がやっと届きました。
 今時、ライセンスキーを販売店経由で宅配業者から受け取る珍しい販売の方法は、代理店に利益を享受させるための一手段かもしれませんが個人的には腑に落ちない点です。
 販売延期の理由は明確でファームウェア Ver.2.3でパナソニック製Wi-Fi 搭載カメラをスマートフォンやタブレットでコントロールできるアプリケーション「Image App」を使用すればGH4本体へ「V-Log L」の機能追加ができるヘマをやらかしたための対応でしょう。

 LOG収録は静止画のRAWファイルの動画版でイメージセンサーをいかにしてフイルムのラティチュードの広さに近づけるための工夫の産物で、例えば室内の人物を撮影するケースで窓の外の景色に露出を合わせると顔が黒つぶれし、室内の人物に合わせたら外の景色が白飛びするイメージセンサーの弱点であるダイナミックレンジ(銀塩のラティチュード)の狭さをカバーするため、被写体の輝度情報を可能な限り詰め込んで編集後に必要な情報を取り出して(現像)作品を仕上げる手法でキャノンのサイトが分かりやく、個人的にLOG収録について、このように認識しています。

■ V-Log LをPremiere Pro CC 2015で編集する
 HD納品の場合はDMC-GH4で本体内のSDカードで「V-Log L」収録した4K 8bit 4:2:0の情報量でなんとかなりそうな気がします。
最終的に4Kサイズで出力する場合はさすがにDMC-GH4のSDカードにH264収録はカタログのスペック的には厳しいような気がし4K 10bit 4:2:2で収録できる外部レコーダーの必要性を感じますが4Kの世界を知る人は、そんなに多いわけでもなく製作する側が勝手に思っているのかもしれません実際はどうなのか試してみました。

 LOGファイルのカラーグレーディングはNLEソフトで編集して「DaVinci Resolve」 に渡すのが正義みたいな風潮ですが、個人的には「Adobe Premiere Pro CC 2015」で編集からグレーディングを完結したいもので、その手順についてメモ書きで、あくまで我流・あくまで個人的な戯言です。

■ LUT(ルックアップテーブル)をダウンロード
 「V-Log L」のカラーグレーディングにはLUT(ルックアップテーブル)が必要になりパナソニックのサイトからダウンロードして適当な分かりやすいフォルダに解凍しておきます。

■ Premiere Pro CC 2015
  Premiere Pro CC 2015に「V-Log L」モードで撮影した一見寝ぼけたような映像を読み込んでクリップをすべて選択した状態で右クリックメニューで「クリップに最適な新規シーケンス」をクリックしてシーケンスを作成します。
 シーケンスを作成したら プロジェクトウインドウにフォーカスを移動して上部を右クリックして「新規項目」「調整レイヤー」を作成しタイムラインの最上部に配置します。

 「Lumetri プリセット」の中から適当なプリセットを選択して調整レイヤーにドラッグします。
また調整レイヤーでなくビデオクリップに直接プリセットを使用することもできます。

 調整レイヤーの「エフェクトコントロール」にフォーカスを移動し「Lumetri カラー」の「LUT設定」の「参照」をクリックして、先ほど解凍し保存した 「Davinci Resolve」と互換性がある「VLog_to_V709_forV35_ver100.cube」ファイルを読み込みます。

 これで眠たそうな映像がコントラストの高い原色に近い映像になり、更に「クリエイティブ」の「Look」項目で細かいパラメーターを調整して目的の色調に仕上げていきます。
さらに富士フイルムやコダックなどのルックプリセットもあらかじめ登録されているので選択すればそれらしい色調になります。
「Premiere Pro CC 2014」までは、これらのパラメーターの調整は「SpeedGrade CC 2014」に送っていましたが「Premiere Pro CC 2015」は自己完結で編集からシンプルなカラー補正や複雑な色調補正には「Lumetri Looks」で高度なカラーグレーディングができるため、よほど細かに追い込む目的でもなければ「SpeedGrade CC 2015」の出番はなくなりそうです。

 4Kのシーケンスで「Lumetri プリセットで」パラメーターを調整してもタイムライン上の黄色いラインが赤に変化することなくGeForce GTX 760の再生支援により4GHzで6コア12スレッドCPUも50%くらいの負荷がかかり4Kディスプレイでリアルタイムに再生するのは驚きで、さすがにスクラブでは少しタイムラグが生じますが、それほどストレスを感じることはありません。
編集が重くなるようであればカット編集などの段階ではエフェクトを非表示にしレンダリング前にグレーディングする、こちらの方が本来の手順かもしれません。

 試しにH.264書き出しでYouTube 2160p 4Kのプリセットそのままで書き出したら実時間の約2倍程度の時間でレンダリングが完走しそのログファイルです。
 - ソースファイル : d:\Temp\vlook_1.prproj
 - 出力ファイル : D:\myproject\V-Log L.mp4
 - 使用されているプリセット : カスタム
 - ビデオ : 3840x2160 (1.0), 29.97 fps, プログレッシブ, 00;01;27;16
 - オーディオ : AAC, 256 Kbps, 48 kHz, ステレオ
 - ビットレート : VBR, 1 パス, ターゲット 40.00 Mbps, 最大 40.00 Mbps
 - エンコード時間 : 00:02:56
11/18/2015 05:20:54 PM : ファイルが正常にエンコードされました


 適当にいじってグレーディングした前後の比較でパラメータを細かく調整したらイメージした色調に追い込めそうで、なかなか使える感じがし「V-Log L」収録が確実に増えそうです。

 以上、「V-Log L」で収録した映像をPremiere Pro CC 2015でグレーディングする方法について独断と偏見で簡単に触れてみましたが思った以上に編集が軽くレンダリングも早く4K/60pのレンダリングはともかく4K/30pのカラーグレーディングでも時間が必要である先入観の概念がなくなりました。
 基本的にLOG収録は色情報をたっぷり積み込むために高いビットレートで記録するもので「V-Log L」をGH4本体で4K/30p 8bit 4:2:0の情報量をグレーディングした4K出力映像をモニターで確認すると、シーンによっては色情報不足は否めません、極端なグレーディング例えば光量不測下で撮影した暗部を明るく補正すると暗部に被写体や空の雲などに、色の階調の境界に濃淡の縞になるバンディングが発生しています。
「GH4」の本体記録による「V-Log L」の過信は禁物で厳しい条件下ではやはり外部レコーダーの必要性を感じますが、撮影条件によっては使えると感じ、これにはSpeedGradeを開発したIridas社の技術が生きているのかもしれません。

 それにしても「DMC-GH4」の最近の価格は10万円を割っており、こんな価格で「V-Log L」が収録できる、いい時代になったものです。
 最近は悪天候ばかりで一応レンダリングして映像で標準のLookプリセットを試したもので最後に2カットは暗部にバンディングが発生しています。
 

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