2018年3月9日金曜日

誰が?何を見たいか?

  久々に地元合唱団の発表会の収録の依頼、厳しい予算でカメラマンを雇う余裕もなくワンマン収録となりステージ全体を抑える固定カメラ、ステージに仕込んだ「Yi 4K+」で抑え、インサート映像として手持撮影でウロウロ一応1カメでも何とか鑑賞できる撮影をしで、曲の初めは指揮者、間奏中はピアノ、合唱中はソプラノ、アルト、テノール、バスは発唱パートを重点に、観客の拍手・表情などを心掛けた撮影をし、カメラ3台で収録し作品に仕上げました。
 何度も書いている個人的な映像屋の持論は、収録を依頼された映像を誰が見るか?つまり主催者や個人から依頼された場合と、ニュースなどの収録は別物、当事者と赤の他人では見る視点が全く異なり、少なくとも町の映像屋が撮影の依頼を受けた時に最初に考慮すべき事項だと思っています。このことに関しては、何度も・何度も、しつこい・・

 このようにクライアントの気持ちを汲み取らずに、クレーン、スライダーなどドラマ・映画・バラエティー、音楽番組やネット上などの撮影技法の真似だけの勘違い映像では伝わるものも伝わらない!これは、あくまで個人的な持論、今回は撮影料を安請け合いをしたため、音楽関係者の著作権にナーバスなので、これを盾に取りDVD・Blu-rayの焼き増しで儲ける悪戯な商売をすることにし、そのためには今回も撮影から編集、DVDメニュー、パッケージのデザインなど試行錯誤をし、一発勝負しかない撮影の中で、いかにして相手の胸の内を汲み取れなければ商売にならない厳しい現実があると感じています。
今回は予定の倍以上のプリントの依頼があり、やれやれです・・・


 久々の長尺編集でああすればよかった、こうすればよかったと反省を含めて編集手順の復習です。
・収録
 コーラスで動きが少なくDVD、HD Blu-ray納品につき4K/30pで収録を統一し、不用意だったのがメインカメラのGH5はHLG(ハイブリットログガンマ)モードになっていたのが編集やレンダリングで一苦労することになりました、やはり撮影モードの確認は大切です。

・編集
 編集は「Adobe Premiere Pro CC 2018」でメインカメラの映像を後からパン/ズームイン/ズームアウトを可能にするために編集モードは「AVCHD 1080p 29.97 fps」を選択しました。

 3カメで撮影したそれぞれのビデオクリップをオリジナルサイズでタイムラインに配置したら、タイムコードを一致させた高度なパラ撮りではなくバラバラ撮りなのでそれぞれのクリップのオーディオ波形を見ながら映像と音声シンクロさせます。この作業はマウス操作では最後のツメが面倒で、覚えておきたいクリップを前後に1フレーム移動させるショートカットは「Alt」+「→」「←」です。
次に「Ctrl」+「A」ですべてのクリップを選択し「右クリックメニュー」で「フレームサイズに合わせてスケール」でHDサイズにスケールダウンしました。

・チャプターポイントの挿入
Blu-ray、DVD納品の場合はチャプターポイントが必要で、今回は34曲全てにチャプターマーカーでなくコメントマーカーにしたために「Adobe Encore CS6」でコツコツとチャプターポイントを打ち込むはめになり、オーサリング楽するためにはチャプターマーカーに曲目を入れておけばオーサリングする際にチャプターポイントに自動で曲目がメニューに表示され楽できたのにうかつでした・・

・カラー補正
 メインカメラをHLGで収録したためHLG未対応モニターで見たらどこか眠たい色調で「Premiere Pro」の強力な Lumetri カラーワークスペースを使用して試行錯誤で何とかサブカメ色調と一致させました。

 GH5はSDカードをexFATでフォーマットすると従来のように4GBに分割して記録する仕様と異なりSDカードの容量が許す限りサイズ無制限で記録していくのでコンサートなど長回しの場合はファイルサイズが大きくなりますが、今回は4部構成で4クリップファイルほどで苦労して色調を統一したので残り3クリップにも適用する必要があり、カラー調整をしたクリップの右クリックメニュー「コピー」次のクリップにカーソルを移動して「属性をペースト」で「Lumetri カラー」にチェックを入れて貼り付ける方法があり、複数のクリップをまとめて適用する場合は便利です。

 次に「プリセットを保存」で登録したプリセットを使用する方法もあり個人的にはフェードイン、アウト、V-Logのセッティングなどを保存しています。
「エフェクトコントロール」ウィンドウでエフェクトを右クリックして「プリセットの保存」でわかりやすい名前を付けて保存します。
ちなみにフェードインなどを登録する場合は「インポイント基準」フェードアウトなどは「アウトポイント基準」を選択します。

保存したエフェクトなどは「プリセット」にあります。

 単一クリップの場合は「エフェクトコントロール」ウィンドウで「Lumetri カラー」右クリックして「コピー」を選択、次のクリップのウインドウで右クリックし「貼り付け」でも可能です。

 このカラー調整が「TMPGEnc Movie Plug-in AVC for Premiere Pro」のプリセットBDMV(H.264+AC3)mtsコンテナのレンダリングで6時間ほど時間を要しました、それにしても「Premiere Pro CC2018」からAC3のサポートをしなくなったので、まだまだDVD納品が多い田舎では何かと不便です。

・テロップ
 オープニングや1部から4部のタイトルはAEで少し凝ったものを作り、出演者のエンド横スクロールの素材はフォトショップで作成しました。
 やはり音楽は楽曲名、作詞作曲、編曲などのタイトルは必要不可欠で、これらのテキストデータはすでに提供されており、34曲全てに挿入することにし従来のタイトルデザイナーはプロジェクトファイルにタイトルが追加され何かと面倒なので「文字ツール」を使用することにしました。
音楽番組によっては曲名・作詞作曲者名・アーティストなどの周りをパーティクルを飛ばした派手なテロップを見かけますが、合唱の曲名などに派手な小細工していたら雰囲気とかけ離れれてしまいダサくなると考え、シンプルなフェードイン・アウト、曲名・作詞作曲者名に枕を入れることにし手順を忘れそうでメモしておきます。
タイトルの入力は「文字ツール」を使用して画面に直接入力します。

 文字の色、輪郭、シャドウなどの透明度、パスなどのパラメータの調整はエフェクトコントロールウインドウで調整します。

 四角の矩形の入力は「ウインドウ」「エッセンシャルグラフィック」を開くと、いくつかプリセットが準備されているので気に入ったものがあれば使用するといいでしょう、上にある「編集」モードにするとここでもパラメータの調整ができます。
上にあるアイコンをクリックして「長方形」選択します。

 セイプは上のレイヤーに配置されるのでドラッグして下に配置し、文字色や透明度を指定します。

 位置・サイズなどはモニター画面で指定し、エフェクトコントロールで透明度のキーフレームを入力して完成です。

 「Alt」キーを押してドラッグするとコピーされるので次の文字を入力すれば効率よくタイトルの作成が可能となりタイトルはテキストエディタでクリップボードにコピーしておき書き換えるタイトルを選択したら「Ctrl」+「A」ですべてを選択し「Ctrl」+「V」で貼り付けたら効率のいい編集となり、配置したタイトルはプロジェクトウィンドウには追加されません。

そんなわけで編集が完了した画面です。

 記事の中で「安請け合い」こんな表現で文句言われそうですが、3CCDカメラにするか?それとも新車にするか?そんな時代は多少高価でも仕事が舞い込んできた高価な業務用カメラを保有していただけで撮影の依頼があった時代と異なり、今や、誰でも映像コンテンツをネット上に配信できる時代が時代で、撮影依頼が激減している今は技術で勝負するなどの何らかの努力は怠れない・・そんな気がします。
以上、今回も独断と個人的な記事です。

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