2017年2月13日月曜日

使えるNLEソフトMovie Pro MX3_音声エフェクト

◆ 音声にこだわる
 照明にはかなり拘っているくせに音声に関しては全く無頓着な作品をオランダから全世界に配信している某業界は放送業界のようにラウドネスの概念はなく音声の扱いがひどい作品を多く見かけます。
例えば、何か面白そうなことを喋っているのでボリュームを上げたら、いきなり大音量の喘ぎ声が聞こえて焦ったとか・・・よく耳にする話で、か細い声はゲインを上げ、大きな声はゲインを下げボリューム操作なしで作品を聞きやすくするのも編集作業の大切な要素だと思っています。
 個人的にはビデオ編集過程において音声の処理に関しては神経を最大限に使い、編集作業の工程でクリック音や耳障りな雑音、環境音などの処理に労力を割いているためにNLEソフト選択でも音声機能は重視しています。
 人間に五感がある限り音声と映像は表裏一体と考え映画、舞台、ドラマ、バラエティー案組などでは工夫が積み重ねられていると考えます。
MAGIX社のソフトに関してはレコーディングからマスタリングまで高音質で定評のDAWソフト「Samplitude Pro」があり、音声の扱はお手の物で「Movie Pro MX3」でも期待できそうです。

■ 音声エフェクト
「Movie Pro MX3」のオーディオエフェクトは個別のクリップ、トラック全体、マスタートラックそれぞれ使用できますがVSTプラグインに関してはトラックのみ使用できます。

・トラックエフェクト
 マスターと各トラックにエフェクトを使用する場合はオーディオミキサーを開いて調整し、オーディオミキサーはショートカット「M」をタイプするかミキサーアイコンをクリックして表示させます。

 エフェクトは各トラックを一まとめにしたマスターエフェクト、個別のトラックエフェクトがありミキサーの「FX」ボタンをクリックするとコンプレッサー、イコライザー、リバーブ、エコー、マスタリングの整音に最低限必要なエフェクトが使用できます。

・VSTプラグイン
 個人的にはVSTプラグインを一時期は片端から試した方で訳分からなくなりましたが「Adobe Premiere Pro CC」のオーディオ機能が「Adobe Audition CC」のトラックを移植したかのように充実し、ダイナミックリンクでオーディオ処理ができるおかげで使用するVSTエフェクトは少なくなりました。
それでも微妙なアナログ感を表現するに標準のエフェクトで小細工するよりVSTプラグインに頼ったほうが楽で速いためいくつか使用しています。
「Movie Pro MX3」でVSTエフェクトを使用するには前回も触れましたが「ファイル」「設定」「プログラム」の「フォルダ」タブで「VSTプラグインのフォルダを指定」であらかじめフォルダを指定しておき、エフェクトウインドウの左下にある「+」アイコンをクリックして追加して使用します。

・マスタリング
 最終マスタリングは当然マスタートラックで仕上げ、マスタリングスイートの自動マスタリングには、あらかじめ準備されたクラシック、ロックなどプリセットを使用するのも手間いらずかもしれません、他にパラメトリックイコライザ、マルチバンドプロセッサー、ステレオプロセッサーなど必要最小限です。

・クリップエフェクト
「Movie Pro MX3」のオーディオエフェクトはシンプルで「音声クリーニング」はノイズリダクション、10バンドイコライザー、コンプレッサー、ステレオエフェクトが使用できます。

・オブジェクトエフェクト
「エコー/リバーブ」「タイムストレッチ・リサンプル」ではテンポとピッチ、リバーブ、エコーで、これららに限らずオーディオエフェクトやビデオエフェクトを強調する使用は逆に不自然になるようで、さり気なく使うのが個人的なポリシーです。

 コンシューマー向けNLEソフトで音声エフェクトは必要最小限で面倒なのはVSTに任せたら済む話でもDTMで高評価の「Samplitude Pro」を開発したメーカーのNLEソフトだけに音声の機能が多彩であると勝手に考えた先入観がありましたが意外とシンプルで必要最小限です。
音声処理に一番神経を払うべき某業界は音の大切さの概念がなく、音声の収録ミスをした極端にゲインの低かったまま、ゲインアップしても環境音のノイズ処理はしていない、声が聞きやすいようにコンプレッサーなどで処理することなく作品を平気で配信しています。
照明に金を使うのであれば、音声にも少し金を使ってPCMレコーダーで音声も同時収録するなど工夫したらと思います。
 話がそれましたが「Movie Pro MX3」音声処理はシンプルで分かりやすく、それなりに使いこなしたら自分の意図した表現ができると感じました。

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